ワイン ＆ スピリッツ
ショーン・トルソン
アメリカのウイスキー市場はすでに飽和状態で、数え切れない種類のウイスキーが売られているが、誰もが理想のフレーバーに出会っているとは限らない。デザイナードラムは、クラシック・バーボン、ピュア・ライ・バーボン、ウィート・ウイスキー、ピュア・ライ・ウイスキー、バーレー・ライ・ウイスキーの５種類を家庭で自由に組み合わせた家庭用ブレンドを提供している。出来上がったウイスキーは、同社のマスター・ディスティラーによってボトリングされ、カスタマイズ・ラベルを貼って届けられる。価格は170米ドル〜; designerdram.com
ハーディンズクリークのバーボン
ジェームス・B・ビーム蒸留所製造の、ハーディンズクリーク、ケンタッキー・シリーズ・トリオは、同じ比率の原料を蒸留した17年熟成バーボンの3本セットだが、熟成した地域の気候や地形によってフレーバーが異なっている。バーボン樽はケンタッキー州の3カ所の倉庫で熟成され、場所によって、そのフレーバーは甘いキャラメル、フローラルなタバコ臭、ヘーゼルナッツやスパイス感のあるレザー臭などと異なり、口あたりも地域ごとに違っている。価格は170米ドル； hardinscreek.com
プロセラのジン
ジンの素晴らしさは、その土地の個性を表現できる点だろう。ケニアで蒸溜されたプロセラのジンは、地元産の生のジュニパーベリーの新鮮な風味が楽しめる。また特定のカクテルを作るためのベーススピリッツの役割も果たしており、気品あるドライマティーニにはプロセラ・ブルードットを、ネグローニにはプロセラ・レッドドットがお勧めだ。それまでのカクテルの概念を変えてしまうに違いない。価格は93米ドル（ブルー・ドット）、100米ドル（レッド・ドット）; proceragin.com
ラネタのエクストラアネホ・テキーラ
バーボン樽で3年間熟成させ、フルボディのフレーバーをまとって姿を現した、ラネタのエクストラアネホは、絹のように滑らかな口当たりと、フレッシュさを纏ったアロマがあり、テキーラをオーダーしない人々まで幅広い層を虜にするスピリッツだ。ほのかなトフィーの風味が、ハーブのようなアガベの香りとうまく調和し、食後酒にふさわしい魅惑的なスピリッツに仕上がっている。価格は170米ドル； lanetatequila.com
コンパスボックスのウイスキー
コンパスボックスのエクスティンクト・ブレンド・カルテットは、往年のブレンデッド・スコッチ・ウイスキーのアロマとフレーバーを再現すべくブレンドされた限定版ウイスキーだ。シリーズ最新作であるメトロポリスは、アベラワー、ミルトンダフ、ボウモアの蒸留所で作られたシングルモルトに、シェリー熟成のブレンデッドウイスキーと爽やかなグレーンウイスキーをブレンド。その結果、芳醇で複雑なスピリッツが誕生し、時間をかけてクリーミーなフィニッシュへと変化を遂げる。価格は325米ドル； compassboxwhisky.com
ラム・クレマンのラム
サトウキビのしぼり汁から蒸留して間もないラム酒は（特にマルティニーク産は）、植物を感じさせる独特の個性がある（一般的に好ましいとされる）。一方、ラム・クレマンのキュヴェ・オメールは、7年から15年のヴィンテージ・ラムをバーボン樽で熟成したものをブレンドしており、複雑なフレーバーを持っている。まずビスケットとアーモンドの香りが鼻に飛び込み、口に含むとウッディなバニラの風味と、トーストしたココナッツのヒントが感じられる。冬のホリデーシーズンには、最高の一本だろう。価格は121米ドル。 rhum-clement.com
シュレイダー・セラーズのカベルネ・ソーヴィニヨン
シュレーダー・セラーズのモナステリー・ブロック・カベルネ・ソーヴィニヨンは、ナパ・ヴァレーの銘醸畑、ト・カロン・ヴィンヤードの単一区画のブドウから造られた希少ワインで、石灰質の土壌のテロワールが感じられる。2021年はブドウの収穫量は少なかったが、複雑なベリーの香りが特徴。黒果実の香りに繊細なフローラルノート、エレガントなミネラル感が共存する、クラシックなオークヴィルのカベルネに仕上がっている。価格は475米ドル； schradercellars.com
バンフィのブレンド赤ワイン
気候変動にともない、ブレンドワインの構成も変化している。イタリアのトスカーナ地方では、ベースとなる品種がサンジョヴェーゼからカベルネ・ソーヴィニヨンにシフトしつつある。このトレンドのパイオニアであるバンフィのスムス・トスカーナは、土っぽさと、生き生きとした果実感が調和した魅惑的なワインだ。2017年ヴィンテージを口に含むと、ストーンフルーツのノートに、タバコ、なめし革の香りが感じられ、タンニンの力強さとともにバランスの良い仕上がりとなっている。価格は80米ドル； banfi.it
ナイティンバーのブラン・ド・ブラン
イングランド南部はフランスのシャンパーニュ地方と土壌が似ているが、気候変動によってブドウの生育に適した温暖な気候となったことで、英国のスパークリングワインの生産は増加傾向にある。中でも、一流ソムリエたちの注目を集めているのが、ナイティンバーのブラン・ド・ブランで、爽やかで清々しく透明感があるスパークリング・シャルドネは、ヴィンテージを重ねるごとに、より洗練された味わいに変化する。価格は58米ドル； nyetimber.com
ドメーヌ・ヴァッハウのリースリング
ドメーヌ・ヴァッハウのリースリング・スマラクト・アッハライテンは、スモーキーでミネラル感のあるブドウの産地として知られる、オーストリア南部の銘醸地、アッハライテンのブドウで造られている。単一畑のリースリングは複雑なアロマのブーケを持ち、アプリコットや白桃のニュアンスを含んだ魅惑的なフレーバーが感じられる。口当たりは複雑だがまろやかで、すっきりとした後味が残る。価格は51米ドル; domaene-wachau.at