熱帯の楽園
雨季の暑い午後、四輪駆動車でコスタリカ北部のジャングルをゆっくりと登っていく。2つの火山に挟まれた曲がりくねった山道は、ある目的地へとつながっている。コスタリカには子ども向けのエコテーマパークが数多くあるが、オリジンズ・ロッジ (originslodge.com)は、その対極にあるラグジュアリーステイの代表だ。新ウエルネスプログラムが加わって以来、ロッジの人気はさらに高まっている。(カスタマイズ可能な4泊のリストラティブ・リセット・プログラムがスパ・サービス込みで1組4,500米ドルから)。
フランス人オーナーのティエリー・ル・ゴアスコスは、111エーカーの熱帯雨林の山腹を切り開いて、地上の楽園、ヴィラ・ヴァーティゴ(3ベッドルーム)を建設、同氏は、サステナブルで洗練されたブティックホテルの需要増加を見込んで、さらにサファリスタイルの円形ロッジ6棟を増築した。各ロッジの間取りは1ベッドルームで、定員は2名から12名、建物はグリーンで覆われた屋根や薪炊きの屋外ホットなど、先住民族の生活にヒントを得ている。ここでは外の世界と隔離され、自然と触れ合いながら、心身のケアに集中することができる。
オリジンズの朝は、太陽のもと、木々や鳥のさえずりに囲まれたオープンエアーのヨガと瞑想から始まる。ロッジでは、毎年500本の植樹をしたり、床や天井の修理や家具作りに倒木を使用するなどサステナビリティへの取り組みが認められ、フランスのVillegiature Award(サステナビリティー部門)を受賞している。
レストラン「エル・サルト」では、自家菜園の有機野菜やハーブ、エディブルフラワーを使用、地元業者30軒から食材を仕入れ、魚は90マイル離れたプンタレナスから調達している。ミシュランの星付きシェフ、ジャン・リュック・ルオールはスーパーフードをふんだんに使いながら、故郷のブルターニュ地方とコスタリカのスピリットを融合させたメニューを開発している。食材の中には敷地内で調達しているものもある。
天然ラグーンで捕れる魚、ニワトリやウズラが生んだ新鮮な卵、メリポナ蜂の15個ある巣から採れる希少な蜂蜜、オーガニックガーデンには150種類の野菜やハーブ、花が植えられており、ラランザなど地元の果物はジャムやジュースにして提供される。また、納屋では牛のマーガレットが、自家製チーズ用に1日に3.5ガロンの牛乳を提供してくれる。 きれいな空気を吸って、エサ台に集まる色鮮やかな鳥達を眺めながら、ヘルシーでリラックスしたランチを楽しもう。インフィニティプールを見下ろすダイニングルームからは、エメラルドに輝く渓谷とニカラグア湖が一望できる。
朝食の後は、ナチュラリストのガイドとともに、熱帯雨林のハイキングに出かけよう。ホエザルや毒ヘビ、木の上に隠れたナマケモノなど、固有種の動物が姿を現し、生物の多様性を学ぶことができる。ハイキングの終点、オロ滝で水浴びをしたら、馬に乗って景色を楽しみながらロッジへ帰ろう。
午後は、スパのヒーリングセラピーで、ハイキングの疲れを癒すことができる。スパサービスはアラカルトのメニューを追加することも可能だ。新メニューの「ティイ・カカオラップ(90分)」は、神聖な食べ物である儀式用のホットココアを日没に飲むことから始まる。カカオとオーガニックのコーヒーグラインズを使用したスクラブで毒素を排出し、シャワーで洗い流したら、栄養豊富な火山性クレイを塗ってアニシージョの葉で体を包みボディーラップを。カカオの香りを楽しんだ後はクレイを取り除き、マッサージで全身にツヤと香りをプラスする。トリートメント中に、この地を訪れた修行僧に出会ったら、楽器を使ったヒーリングサウンドセラピーが受けられるかもしれない。
暗くなったら懐中電灯を頼りに、ジャングルを冒険、スリリングな時間を過ごそう。裏庭では、葉っぱにしがみついている鮮やかなオレンジ色の足と赤い目を持つ親指サイズのアマガエルに出会えるかもしれない。探検の後は、スカイ・ビュー・ラウンジで、地元のサトウキビ農園で採れたジュースと砂糖を使って、モヒートとミュールを作ろう。カクテル片手にディナーを楽しんでいると、小さなヤモリが塩コショウケースの上に乗って、オーガニック食材に興味を示す愛らしい姿を見れるかもしれない。