カンヌの高級リゾート

ジャズ・エイジ時代の面影を残すリトリート
A luxurious outdoor swimming pool surrounded by several lounge chairs and umbrellas. The pool is a deep blue color. The area is well-manicured, with tall buildings in the background. The atmosphere is peaceful and relaxing, with the sunlight shining down on the pool area.

1929年開業のホテル・マルティネス (hotel-martinez.com)は、各国の王子や外交官、映画スター、パブロ・ピカソ、ココ・シャネル、ゼルダ& F・スコット・フィッツジェラルド夫妻といった、そうそうたる歴代セレブが集ったホテルとして知られている。当時、リゾートの街カンヌでは、海を見下ろす高級ヴィラでのパーティーや、マハラジャの名を冠したヨットでのカクテルパーティーなどが連日繰り広げられ、今も伝説として語り継がれている。

1946年にはカンヌ映画祭が開催され、この全410室の5つ星ホテルには大物スターが滞在した。映画祭の審査員による超高級ディナーは、このホテルのミシュラン2つ星レストラン「ラ・パルムドール」で今も行われ、エグゼクティブシェフのクリスチャン・シニクロピが指揮をとっている。カンヌ湾を見下ろす2つのペントハウスは、著名なインテリアデザイナー、ピエール=イヴ・ロションによって改装されたばかりだ。「アクトレス・スイート」は120本以上の映画に出演のフランス人女優、イザベル・ユペール(最新作は『ミセス・ハリス、パリへ行く』)にオマージュを捧げた部屋で、「プロデューサー・スイート」は、カンヌ映画祭の芸術監督であるティエリー・フレモーをイメージしている。

A lush green garden with tall palm trees and various plants in bloom with a pathway that leads to a pool.

2022年、ホテルは「ロアシス・デュ・マルティネス」をオープンし、広大なオープンスペースにヨガエリアや、全面ガラス張りのハイテクフィットネスセンター、温水プールなどの設備があり、プール・バーでは新鮮なフルーツや野菜を使ったウエルネスドリンクが楽しめる。スパ・バイ・カリタでは、シグネチャー・マッサージをはじめ、電波でコラーゲンの生成を促す究極のアンチエイジングセラピー、「リジュベニック・ゴールド・リジェネラティブ・トリートメント」、「クリスタル・プロ・モルフォーズR.F.」が体験できる。

ヘルシー志向の人には、新たにオープンしたフィリップ・ニエス設計のレストラン、「ル・ジャルダン・デュ・マルティネス」がお勧めだ。ヤシの木やオリーブ、レモンなど、コートダジュールを代表する木々に囲まれたプロヴァンス風庭園で、新鮮な魚のグリルやブイヤベースなど地中海料理が楽しめる。ランチの後は、ホテルのプライベートビーチまで散歩して、ビーチチェアで100年前と変わらぬ波の音に耳を傾けるのもいいだろう。