まるで自宅のように
オープンからわずか1年で、リゾート全体を改装したホテルは、世界広しといえどもここにしかないだろう。カレスマ・ミコノス・ホテル (kalesmamykonos.com)の共同経営者、アビー・サルティエルは、「一度に完成させるつもりはありませんでした。実際にゲストを迎えて、不都合な点がないか見たかったのです。思った通り、改善すべき点が見つかったので、昨夏リゾート全体を改修しました」と語る。改修後、バーとレストランからは東西180度の景色が見られるよう配置され、1ベッドルームのスイートは独立したヴィラに拡張、屋外にフルキッチンを付けてプライベートシェフが屋外で食事を提供できるようにした。さらに総面積1,290平方フィートのスパとジムも増設、スパでは独自のサービスを提供することで、アメニティの価値をさらに上げる狙いがある。
緑豊かな丘の中腹、5エーカーの敷地に点在するヴィラは、25室のスイートと2棟のヴィラからなり、各ヴィラは専用温水プール付きで、エーゲ海のパノラマを楽しむことができる。「私達が大切にしているのは、友人の家にいるような居心地の良さで、ホテルは自宅の延長だと考えています。自宅に友人を招くようにゲストを迎えたいという思いがありました」とサルティエルは語る。カレスマとはギリシャ語で 「招待」や 「訪問」を意味し、このコンセプトはシンプルで家庭的なスパの雰囲気とも合致する。
「スパでも常識にとらわれないサービスを提供したいと考え、客室内でのインルームマッサージサービスを提供しています。素晴らしい部屋があるのに、マッサージを受けるためにわざわざローブを着てスパへ行く必要はありませんからね。スイートは十分な広さがあるので、室内でもプールサイドでもマッサージを受けることができます」とサルティエルは語る。
スパにはフェイシャル用の2つのトリートメントルーム、モロッコ式ハマム、クライオセラピー・チャンバーが設置される予定だ。カレスマでは、有名なドイツのスキンケア専門家、バーバラ・シュトゥルム博士と提携、同社の製品を使用している。「他と差別化する必要があったので、私達の顧客層に認知度が高い、このブランドを使うことにしました。スパでは、 『水・海・太陽』 をテーマにした、独自のメニューを提供しています。」
クライオセラピー・チャンバーを導入することにした理由は、「極低温に体をさらすクライオジェニック・セラピーの人気が高かったこと、それと何だか面白そうだったから」と、サルティエルは語る。 ジムにはテクノジム社の最新機器を導入、2棟のヴィラには専用フィットネスルームがある。ホテル内で見かける馬のモチーフは、この島の近くで生まれたギリシャ神話のアポロ神から発想を得たものだ。サルティエルは、「物事を急がないと、逆に良い結果を生むこともあります。後で分かることもありますからね」と語る。